はてな村人としておなじみ、小島アジコさん(@ajico_k)さんの商業漫画最新作。
元々は舞台で上映されている人気作品を4コママンガに翻案したもので、突然発生したゾンビパンデミックの中、学校の屋上に集まったごく普通の女子高生17人が、脱出を試みる…というお話。
ゾンビものとくれば読まないわけにはいきません。ウォーキングデッドにアイアムアヒーロー、28週後…にデッドライジング、そして各種「オブ・ザ・デッド」と、総じてゾンビものは大好物です。
というわけで読み始めたのですが、グイグイっと引き込む力はWeb以外でも健在。一気呵成に読み終えちゃいました。読ませるねぇ。死にますねぇ。
というわけであっさり星3つ「おすすめ!」が確定ですが、気になるところもないではありません。
・まさか途中でターバンのガキが信子の太股をナイフで刺すとは思わなかった(違)
・やっぱり17人は多かったんじゃないか?キャラがカブっているし、似た髪型のキャラがカブる率が高くて時折困惑。
・4コマ形式でサクサク読めるが展開がすっぽ抜けたような説明不足がしばしば。特に4人死亡、信噛まれるのあたりはあっさりしていて「あれ噛まれたの一人じゃ?」と思うなど。
・比較的空気な奴が生き残る…?作中かなりの空気っぷりを発揮していたソフト部キャラが生存。一人は悪目立ち&フラグ立てにも関わらず生存、一人は空気すぎて死に場所すら与えられなかったのか。これは面白いところ。
・これは本作に限らずゾンビもの全般に言えることだけど、高校生が、女子高生が、異常な状態に陥っても死が近付く状況が起こっても平然としている(本作ではおどけてすらいる)のは、ちょっと「もっと幼くもっと汚いものを見せてくれぇ」という気分になる。いやこれは原作ありだし、パニック映画でもないので仕方ないけれど。アイアムアヒーローなんかは特に序盤見事なまでに自己中心的、混乱が演出されていて良かったなぁ。
・アイドル化は最高だったー。良かったー。
と、あれこれケチつけてしまいましたが、それ以上に勢いがあります。ノってます。
ラストシーンは解釈がかなり分かれるところでありましょうが、個人的には途中の「笑うこと」の伏線がなおも効果を発揮し続けているのだと解釈し、「笑いの効果高ぇ!それを成し遂げるノ☆ビューンの絆の強さよ!」といい感じに理解しました。
これは確かに舞台が見たくなる作品ですね。舞台だったらどう表現されるのか。
17人が舞台に立ち続け、誰かが話している時のほかのキャラクターの動きが気になる。立ち位置やしぐさなどから、脚本以上にキャラクターや関係性を知る手がかりになるかもしれません。そうした演出がされていそうな…そんな気がします。
でも舞台だと絶対俺泣くな。生徒会長と最後優のところで。間違いないな。うん、間違いない。