以前は「あまりアニメを見ないマンガ・ゲーム派なオタク」だったのだが、昨年あたりからAmazon Primeビデオ、Hulu、AbemaTVなどの環境が揃ったことで一気にアニメを大量に消化している。今年は新作アニメを見る機会も増えたので、今年公開のアニメについてあれこれ感想を書いておこう。12月になったことだし。
■ポプテピピック 2018年1~3月 ◎
全ネット住民が震撼した今年の怪物作品。
作品としての面白さ・完成度ではなく、「アニメという枠組み」に対して可能な限りのトリッキーさを組み込んだウゴウゴルーガ的アニメだったので、思い切りハマる人と全然刺さらない人に二分されるのはまぁ自然。で、個人的にはドハマりした。
元々AC部を「ハトに困ったら雨宮」で知っていて好きだったので、AC部が出てきただけで最高。第2話POP TEAM STORYでいきなり実写になったかと思ったら「おわかりいただけただろうか」が来るシーンにハートを撃ち抜かれた。
あとこれまで声優に関する知識が全然なくあまり興味も持っていなかったが、この作品をきっかけに関心を持つようになっていく。
■宇宙よりも遠い場所 2018年1~3月 ◎
Amazonプライムで後から一気見したのだが、かなり豊作な1Qアニメの中でも抜群に出来が良い。だけでなく、個人的に人生で見てきた中でベストに近い作品だった。1話でめちゃくちゃ引っ込み思案のように見えたキマリがあっさり強力な推進力を持つ部分だけは気になり続けたけれど、毎回毎回きっちりと掘り下げながらケリを付けて気持ちよく終わる、どの回を見ても大満足な出来の良さ。
40になると青春モノの摂取方法ってどうしても変わるものだけど、はるか昔に置いてきた純粋で無鉄砲な気持ちを大人として眺めるのはそれはそれで良い。もはや「自分の物語」ではないけれど、遠い昔の少年少女たちの話としてすっごく染みるエピソードが溢れてる。
例えばめぐっちゃん。日常からチャレンジを志したときに必ず現れる「日常の枠に足を引っ張ってくる身内」をあんなに鮮烈に登場させる作品があるか。
例えば南極に踏み入れた最初の一言。感動の一言でも、感謝の一言でもなく、あの一言。わかるすごくわかる。自分の中に育っちゃってる「きれいなストーリー」に染まっていない率直さが羨ましくなる。
例えば日向のあの放送前。大人になってしまった今なら、いろいろな感情を抑えて穏便に済ませてしまうことだろう。嫌味を言うにせよ、きっと違った方法を取ったことだろう。でもアレ。あんなに真っ直ぐにぶつかれるだろうか。できない。
メールの回はもちろん号泣ものなのだけど、40になると不器用な真っ直ぐさにもろくなる。いい作品ありがとうございますマジで。
■ゆるキャン△ 2018年1~3月 ◎
女子趣味モノマンガもいろいろな種類が出回っているけれど、抜群に突き刺さって思わず原作全巻購入した「冬・ソロ・キャンプ」モノ。
趣味モノで気になるのが「女子高生の趣味モノなのに財力のバランスが悪い」点だが、ゆるキャン△はリアルな女子高生の財力の範囲でキャンプを楽しんでいるところが実に良い。キャンプ宿泊費3000円とか薪代とかは大人になると気にならないものだけど、女子高生にとっては死活問題だよな。
ソロキャンプの楽しさ(と、ぶらり一人旅だとありがちなトラブル)がめちゃくちゃ感じられて、自分も旅に出たくなる。
ただ、個人的に冬キャンプはしたくないですけどね、とにかく寒いから。2期が決定しているので大期待。
■だがしかし2 2018年1~3月 〇
原作が大好きなので。サヤ師と尾張ハジメが大好きなので!
という原作愛で一気に見て満足度は高かったのだけど、振り返ってみるとあんまり記憶に残ってない。アニメ化の違和感がなさすぎるくらい再現度が高かったために、かえって印象に残らないのか。
■Fate/EXTRA Last Encore 2018年1~3月 ×
FGOにドハマりした昨年、これまでのFateアニメシリーズを片っ端から見まくり、Fate/ZeroとUBWのレベルの高さに戦慄したところでアポクリファに若干の残念さを感じ、そして今年EXTRA Last Encoreを迎える。
うん、つまらなかった。っていうか盛り上がりどころがなく、そしてわけがわからなかった。ローマなネロがひたすらデレるが、ハクノがまるで無反応さんで、あんまり感慨なく話が進みそして終わった。
シャフトで新房でワダアルコな絵だったが、その魅力が全然作品に生かされず。多分シャフトと新房監督は3月のライオンで忙しかったんでしょう、あちらは最高of最高だったので。
ただ西川君という新人のOPと、EDのさユり「月と花束」がでたらめに良い曲で思わず曲購入した。
■BEATLESS 2018年1~6月 △
AmazonプライムビデオのCMで頻繁に推されるので、見てみたところ1話目で1回挫折して、最近になってちゃんと見返した。Final Stageが9月に放送されたようなので結果ちょうど良かった。
原作未見なのでアニメ版の評価しかできないが、人間側主要人物の思惑が全然掘り下げられてなくて「なんだか雰囲気だけで進行する雑なSFだなぁ……」という感想。
「hIEと人間は別物」という感覚がこの作中世界では普通で、hIEと人間を同一視できる主人公遠藤アラトが異端視されているところからスタートするのだが、視聴している我々は遠藤アラトの感覚に近いので(不気味の谷を越えて美しいhIEがいたらそりゃ欲情もすれば好意も持つでしょう)、他登場人物の世界観が全く理解できない。
作中時代の人間が、人間なのかhIEなのかを一発で視認できるものなのかが、展開としていまいちわからず、わからないまま話が続く。さらにレイシアによる「アナログハック」の説明により、より一層わけがわからなくなる(作品の意図としてわけわからなくしている)。全体的によくわからんままにストーリーが進みとんでもなく風呂敷が広げられ最後は対話で終わるという……うん、なんかすごく雑だった。
あとEDの後に短時間話が続くんだけど、この時間に結構重要なストーリーの展開があるの、EDで次の回に飛ばした時に混乱するのでやめてほしい。
■ヲタクに恋は難しい 2018年4~6月 〇
原作が大好き…なのだけど、アニメで見たら心が痛くなるから見たくない……!
と思いながら見たらなかなか良かった。
作中オフィス付近の背景が完全に西新宿なので、新宿西口側で働いているraf00としては「あまりにも聖地すぎる……」と戦慄。新宿グリーンタワービル1階のスターバックス(作中に登場)でコーヒーを飲みながら作品視聴をするなど、聖地感を楽しめた。
原作はとりとめもなくだらっと続いているので、2ndシーズンが出たらきっと見る。
■フルメタル・パニック!Invisible Victory 2018年4~6月 △
原作が大好き…なのだけどアニメ版は全然見ていなかったのでこれまでの作品を一気に消化しつつ視聴。TSRとかすごくいいじゃん!と期待して見始め、IVも個人的には大満足しながら見ていたのですが、……これちゃんと完結するよね?
このシリーズは、ミスリルの兵士と高校生の二足の草鞋生活が長く続くご都合主義展開に限界が来るという、これまでよりもシリアス&タフな展開として始まるのだけど、結構ちゃんと描ききってるなと、原作ファンとしては嬉しい感じ。ただ、このシリーズから見始めた人からすると千鳥かなめがまるで魅力的に感じられないんだろうな。
■魔法少女サイト 2018年4~6月 〇
不幸だねー不幸だねえー。
最初から最後まで鬱展開×バトルロイヤル×バイオレンス×まどマギ的鬱魔法少女という、最近流行りの漫画テーマを全部集めちゃいました的な作品。
ド鬱な展開からスタートし最後まで鬱で進むのだけど、その割に死んでも許せないはずの相手と共闘したり、水着回があったりと中途半端に媚びてくる。
一方、管理人の気持ち悪さや、最悪にサイコなお兄ちゃんなどおンもしれぇ!っていう要素もあり、なかなか楽しく見れたりなど。
■STEINS;GATE 0 2018年4~9月 ◎
ゲームは未プレイ。0を見るにあたってシュタゲ本編を見たのだが。
2ch用語がめちゃくちゃ出てくる&オカリンが超絶厨二病…というのは、その時代を通過した人間にとってはなかなかに黒歴史であり、見ていて胸が痛い。そんなわけでシュタゲのノリに慣れていくのはなかなか大変だったが、ハマってみると鳳凰院凶真のあのノリがたまらなく心地良くなってくる。
そんなシュタゲのアナザーである「0」が、「岡部倫太郎がすっかり鳳凰院凶真時代を黒歴史にしてしまい、テニスサークルに入って合コンに行くなど普通の大学生生活をおくる」という展開には仰天する。あれだけキツいわぁ辛いわぁと感じていた鳳凰院凶真が出てきてほしくて仕方なくなる。求めているのに出てきてくれない、しかし大人びた岡部倫太郎はそれはそれで良い……と、完全に引き込まれながら激アツな終盤戦。本当に最高。最高ですよ。
■PERSONA5 the Animation 2018年4~9月 ◎
P4AやP3劇場版等と同様、原作を大いに楽しんでいる原作厨として観るのだが、断然最高。P4GAが作画で結構やらかしていたのに引き続き、作画面でげんなりさせるところはあったけれど、ストーリー知っていてなおペルソナはやっぱり楽しい。原作未プレイの人にすすめられるかというと微妙で、アニメ単体として凡作感は激しくあるけれど、個人的には大満足。しかし残りの部分ちゃんと消化できるのだろうか。3/4くらいしか終わってないぞ物語。
■あそびあそばせ 2018年7~9月 〇
騙された!Amazonプライムビデオのサムネイルに騙された!
大金持ちだけどテンションがメチャクチャな本田、金髪碧眼両親外国人だけど生粋の日本人なので英語が話せずそして強烈な腋臭のオリヴィアと、BL好きなクールメガネによる下品め日常コメディ。
予想外なギャグが次々飛んでくるのでかなり楽しく見れたが、どうやら原作も表紙詐欺らしく素晴らしい。
■はねバド! 2018年7~9月 ×
今年見た中でトップクラスにヤバい作品。
めちゃくちゃ気合の入った作画、なんだかいろいろありそうなキャラクターたち。最初は「あれ、これ今期めちゃくちゃ人気になる作品じゃない?」と予感させる。
……のだが、話が進むほどに違和感。
主人公二人の掘り下げをしないからただひたすらに感じ悪さだけを感じさせ、部の他キャラクターにどんどん視点を変えてしまい、さらにライバルもどんどん出しちゃうので、全く感情移入できない。感情移入できないままストーリーが進み感じ悪さが極まって最終戦。
まるでフリーザ様のように数度の変身を遂げる主人公。ここにきて「感じ悪い話がもう面白い」と逆にテンションが高まってくるのだが、多分原作は普通に面白い作品であるはずだ。
■はるかなレシーブ 2018年7~9月 〇
はねバド!が残念なことになっている一方、「ふつーに面白かった!」と思えたのがはるかなレシーブ。
水着!尻!乳!というお色気要素をビーチバレーというテーマで全てクリアしてしまう「全話余すところなく水着回」という大サービスアニメだが、お色気は普通に練習・試合シーンでカバーできてしまうため、陰毛処理の一件を除けばストーリー部分でわざわざあざとさを出す必要がなく、ライトなスポ魂の話として楽しむことができた。
遥の急成長しすぎっぷりに関しては「まあスポーツ漫画ってそういうものだし」と諦めるとして、お話としては意外なほどに正統派。
■SSSS.GRIDMAN 2018年10月 – ◎
93年の特撮作品をアニメとしてリブート。特撮の文脈を思い切り継承しながら、アニメとしてのディテールはめちゃくちゃこだわっていて毎回楽しすぎる。こだわりが強すぎる作品には考察が付き物だが、じっくり伏線を張って考察をさせることなく、どんどん作中で展開を明らかにしてしまう。特撮モノの「CM明け後半に一気に戦って、必殺技で倒して、双方の反省パートがあって終わり」というペースは保ちつつ、メタな楽しみ方を惜しげなく突っ込んでくる、実に良い作品だ。
■ゴブリンスレイヤー 2018年10月 – △
TRPG色が異様に強くてオリジナル作品世界感が希薄、ゴブリン相手にマンチキンプレイというところで元TRPGプレイヤーとしては気恥ずかしさを感じて最初だけちょっと……という気持ちで見始めたが結局毎週見てる。言葉少なく淡白なゴブリンスレイヤーさんがなんであんなにモテるんだ……とかブーブー言いながら見てるので、最後まできっと追いかけるのだろう。
■ゾンビランドサガ 2018年10月 – 〇
開始5分で主人公死亡、ゾンビでアイドルで佐賀で宮野真守節な怪作。ドライブイン鳥などなどどローカルな話題をふんだんに盛り込みつつ、毎週楽しませてくれる。各キャラの掘り下げに入る最近の回になって「当然配置したらそういう話になるよね」という展開が続いているので、Twitterで言われているような「毎回神回」とは思わないものの、伝説のたえちゃんがいつ伝説っぷりを見せてくれるか。
■うちのメイドがウザすぎる 2018年10月 – ×
率直に言ってこれはダメなキモさだろう。やっちゃダメなロリだろう。Twitterでつぶやかれていてもドン引きなネタを公共放送で出しちゃダメだろう。作者が女性だからとかメイドさんが女性だからとかそういうの関係なくダメだろう。