イチバーン!raf00です。家にいると鈴鹿グランプリの開催が待ち遠しくて待ち遠しくていてもたってもいられなくなるので、narumiさんの素晴らしい焼きそばエントリに触発されて埼玉のB級焼きそばを食べに行きましょう。
というわけで、朝も早くから単身川越に向かったのです、チャリで。
で、埼玉の数少ない観光地でありながら来た人の多くががっかりして帰る小江戸川越の「みどりや」さんに来てみましたよ。小学校横の駄菓子屋兼焼きそば屋さん。50年近い歴史があり、川越太麺焼きそばの元祖とも言われるお店です。
いやほんと、外見普通に入りにくい駄菓子屋さんなんですよね……。入り口付近の狭すぎるスペースにぎっしり駄菓子、そして奥にカウンター3席、4人がけテーブル2つという実に駄菓子屋感あふれる店内が魅力です。店の後ろ、もう自宅じゃん…。
さてこのお店で食べられる「川越太麺焼きそば」ですが、埼玉行田のゼリーフライや熊谷近辺のフライなどといったもはや全国区的なB級グルメとは異なり、埼玉県民の間でもあまり知られていない真のご当地B級グルメです。川越の子どもたちが愛してきた地元の味。いいじゃないですか、こういうの。
(とはいえ、ご当地B級グルメの普及に全力を注ぐ埼玉県の努力により遠地からの客やテレビでの紹介も多くされるようになりましたが)
この太麺焼きそばはその名の通り、まるで家系ラーメンのような極太でもっちもちの麺が特徴。具は豚バラ肉などは入れず、キャベツが少し。その代わりに蒸し焼く際に水をかけるのではなく、豚鶏挽き肉を煮込んだスープ(煮こまれた挽き肉ごく少量もそのまま)をかけて気持ち肉の味をそばに染み込ませています。
で、この肉ごまかしスープが多すぎるのか、ソースの味がやや薄まるくらいびしゃびしゃな状態で完成する個性的な焼きそばです。
なんともジャンク。至ってジャンク。並で300円、大でも400円ととってもお安く、ボリューム満点。今回は大をいただいたのですが、がっつり満足。
そして太麺焼きそばを出す店のテーブルには七味唐辛子が置かれているのが定番。ソース焼きそばに七味?と思うのですが、かけてみるとこれがなかなかにイケます。
あぁB級グルメ。B級グルメってこういうものだよなぁと感じさせる存在です。「こだわりの素材」とか「試行錯誤を重ねた末の完成品」といった肩に力の入るものではなく、「なんで太麺にしたかって?いや、別にそうしようと思ったわけじゃなくて、仕入れた製麺所の焼きそば用麺がたまたま太麺だったから…」という普通さがたまりません。
やたらと人懐こくいろいろ話してくれる店の爺さんがまたいい味出してます。「お客さんがよく言うんだけどさ、『食べログ』って何?あとさ、さっさと食べないと冷めちまうのに、みんな写真撮るのな。なんでだろな」 …ごめん、俺も撮るんですわ。 「ところで、最近自転車で来るお客さん多いよね。こないだは千葉から来たよ。あと閉店間際に横浜からママチャリで来たカップルがいてさ、『疲れたから泊まらせてくれないか?』だって。困っちゃうね」 爺さん、今さっさと食べないと冷めちまうって言ってたじゃないか、話はいいから食べさせておくれよ……みたいなやりとりがまた飾らない感じでいいんですよ。たまに行ってるのを憶えててくれないもんだから毎回「ここはねぇ、近所に俳優の市村正親さんが住んでてね、子供の頃から通ってるんだけど最近は篠原涼子さんとも来るんだよ」ってのを聞かされたりも、またいい。
というわけで、川越太麺焼きそば、オススメです。
チャリでご当地グルメを求め走るというのはなかなか楽しいなと思いましたので、今後埼玉のご当地グルメをちょいちょいと探索してみたいなぁとか思いました。
今回は自宅から川越を目的地にぐるっと走って70km。程良い感じでしたよ。