2013年F1GP第7戦 カナダGP

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毎年意外性のあるレースになるカナダグランプリ。
2年連続好走するも優勝につながらないベッテルが初優勝を決めるか、あるいは大きな混乱が起こるか。
いずれにしてもレース開始が午前3時とシーズンの中で最も日本人視聴者泣かせなグランプリが始まる。

 

■レース前展望

メルセデスのテスト騒動は非常に大きなトピックとなっている。またイギリスグランプリから新コンパウンドを用意すると宣言したピレリに対する反論も大きく報じられ、これらや未だ契約更新ができないことにピレリ側もフラストレーションが高まり、撤退を示唆するなどタイヤ周りの議論が耐えない。

■予選

フリー走行から雨に翻弄される週末となった。ドライなコンディションで走れるセッションはなく、フリー走行3回目に至っては前座レースのクラッシュのため破損したコース修復が行われセッションが30分に短縮されるというトラブル付き。
そんななかで始まった予選は、「ドライとインターミディエイトの中間」「インターミディエイトとフルウェットの中間」というさらに難しい路面状況で、Q1からQ3までスピンやコースアウトが続出した。Q2ではマッサがクラッシュし、赤旗も出ている(この再スタート時にライコネンとリチャルドが正しいレーンに並ばなかったため降格ペナルティを受けている)。
そんな厳しいコンディションの中、PPを決めたのはベッテル。好調のメルセデスハミルトンがこれに続き、3位にはまさかのウィリアムズのボタスがつけた。以下ロズベルグ、ウェバー、アロンソ。記録更新がかかったライコネンは予選順位9番手、スタート順位10番手からポイント獲得を狙う。

■決勝

決勝当日は今週末初めての晴れ。ピットストップ1回も期待されるが、コース上にはラバーが乗っておらずタイヤの摩耗も懸念される。
綺麗なスタートだが早々にボタスが上位から脱落。ベッテルがホールショットからの逃げ切りを狙い、そのまま一位を譲ることなくトップチェッカーを受けている。メルセデスは序盤のウィークポイントであったタイヤの異常摩耗などは改善したものの、ストレートスピードの不足に悩みアロンソやウェバーに抜かれるシーンが見られた。ブレーキトラブルとペース不足に苦しんだのはライコネン。他車をオーバーテイクできずに苦しみ10位前後で粘りの走りを見せたが前を行くマシンがペナルティを受けるなどの幸運があり9位完走。これでミハエル・シューマッハーが持つ連続ポイント獲得記録に並び、次戦もポイント獲得すれば単独の一位となる。

■レース感想

小規模なクラッシュはいくつか見られたが、セーフティーカーの入らないクリーンなレースとなった。
放送でもツッコまれていたが、ホールショットを決めたベッテルは誰にも止められない。安全圏まで引き離して以後はタイヤのマネジメントに集中、飽きたところでファステストラップを出し、ゴールまでマシンを運ぶという「いつものベッテルの仕事」が淡々と行われた。
2位以下は混戦で、2位を守り続けたハミルトンが最後に脅威の追い上げを見せたアロンソに敗北。残念な結果となったが、メルセデスの2台はそれぞれ速いため、中盤戦から後半戦にかけてコンストラクターズポイントを量産する最右翼となってくるだろう。
そしてレースには絡んで来なかったが、ライコネンの連続ポイント獲得が達成できたことは称賛されるものと言える。終始苦しみ抜き、ドライバーズタイトル争いではアロンソに抜かれるなど厳しい状態になったが、ここからの巻き返しに期待したい。

それはそうと、やはりカナダ・グランプリは眠い。同じ時間帯のグランプリは最終2戦、アメリカとブラジルだが、カナダが最も眠いのはなぜだろうか。

■チーム別評価

・レッドブル
混乱の予選を手堅くまとめ、決勝でも圧倒的なペースで勝利をモノにした。ウェバーもスタート順位からポジションを落とすことなく4位を獲得し、最高の状態でヨーロッパラウンドを迎える。
3年連続で圧倒的な速さを獲得するというのは非常に珍しいことで、ベッテルの連覇が早々に見え始めている。

・フェラーリ
アロンソ6位、マッサ16位と厳しい予選結果から2位表彰台と8位入賞を獲得できたのは、総合的なマシン性能の高さに支えられているからだろう。それだけに予選結果がもう少し高ければ…というのは残念なところであった。アロンソの驚異的な働きに加え、マッサも決勝でのジャンプアップが目立つなど決勝でのパフォーマンスは高い。

・ロータス
他チームのタイヤマネジメントの経験値が上がってくるにつれ、序盤から徐々にアドバンテージを失っているように見える。予選決勝ともペースは優れず、遅いマシンに付き合わされて上位から大きく差を付けられてしまった。ここまでの貯金も尽き、ドライバーズ・コンストラクターズとも難しくなってきている。
唯一、連続ポイント獲得記録を更新できたことだけが救いであった。

・マクラーレン
予選Q2脱落から決勝でもペース不足に苦しみ、11位12位とポイント獲得はできなかった。フォース・インディアのほうがペースが早く作戦が柔軟に立てられているように見える。

・メルセデス
この3戦で急速に力強くなってきたのがこのメルセデス。予選の速さはそのままに決勝での力強さも身につけ、ハミルトン3位ロズベルグ5位と悪くない順位でカナダを締めくくった。ロズベルグが無駄にタイヤを摩耗させ余分なピットストップを行ったが、これがなくても順位が変わらなかった点は少し厳しい。こうした不測のトラブルがなくなればより多くポイントを積み上げられるのだが。

・フォース・インディア
ペースは速いが不要な接触が多いフォース・インディア。今回もスーティルのスピンがあったが、ディ・レスタ7位、スーティル10位とW入賞を決めている。例年ヨーロッパラウンドから強さを増していくチームなので、次戦以降に期待したい。

・ザウバー
最悪なフリー走行から予選では上手く高い順位を獲得するも、2台ともリタイヤ。まともにレースを争える状況にはない。今にして思えば、小林可夢偉が放出されたのはむしろ良かったのかもしれない。

・トロ・ロッソ
予選7位を得たベルニュが固く走りぬいて6位入賞。リチャルドはスタートこそ上手く決めたものの、ピットイン後は中盤に沈み、順位を回復させることができなかった。例年に比べウィリアムズ・ザウバーが遅く、マクラーレンも開発に苦戦しているため、トロ・ロッソがポイント圏内に入り込むチャンスは大きく増えている。

・ウィリアムズ
雨の予選を上手くまとめたボタスが予選3位を獲得するも、スタートからズルズルと順位を落とし14位完走。マルドナドは2周遅れの16位。惜しくも、という言葉を使うにはあまりにもペースが遅すぎ、太刀打ちできる状態にはない。

・マルシャ/ケータハム
ファン・デル・ガルデがウェバーと接触しピットストップペナルティを受け、フロントウイングを引きずり、ヒュルケンベルグと接触するなど後半レースを乱しに乱してリタイヤしている。結果ウェバーはアロンソに抜かれているので大反省が必要だろう。

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