【F1入門】F1の魅力

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あっという間に2013年のF1開幕が今週末に迫ってしまいました。F1入門の時間です。

以前のエントリではF1マニアがどのように一年を過ごしているのかその一端をご紹介しましたが、今回は正真正銘、F1入門者向けにF1の魅力をお伝えしていこうじゃないかと、そう思っております。
このリンクを開いたあなたは、少なくとも「へー、ちょっと気になってたんだよね」と思われている未見の方か、現役F1ファンで「お手並み拝見してやろう」と思われている方かと思います。このエントリを通じて「じゃあちょっとF1、2013シーズンから見てみるか!」と思われる方が一人でも増えれば幸い。

なお、「昔は見ていたけど、V12が復活すればなぁ」とか「四天王時代が最高だったよ」と未だ抜かしている、F1に見切りつけた割にガタガタ抜かす元ファンの皆様はそのままお立ち去りくださいませ。

まぁまぁなにはともあれ、まずはこの動画を見てください。

 

いやもうこの動画がF1の魅力そのもの、と言ってしまって良いと思います。この動画でグッと来るものがありましたか?ドキドキしましたか?
ドキドキするものがあったら、あなたは今年のF1を思い切り楽しめるはずです。ようこそ!
何一つ感じるものがなかったなら…その場合は申し訳ございません、これ以上魅力を伝えることは俺にはできません。

 

■魅力1:続いていく歴史

この動画はイギリスの放送局ITVが、1997年から2008年まで続いたF1中継を終了し、BBCにその権利を移すにあたって最後の放送で流したものです。
ミハエル・シューマッハとミカ・ハッキネンの因縁の闘いの97年から、アロンソ・ハミルトンらまさに今の時代を担う勢力が台頭した08年までの名シーン、さらに曲に乗せてMy Chemical Romanceの「Black Parade」に乗せて、ジェンソン・バトンやルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテルな他多くの現役F1ドライバーやチームスタッフ(監督までいる)、ITVスタッフ、ブリジストンスタッフ、レースクィーンなど、F1に関わるあらゆる人間が協力した、あまりに素晴らしい、本気すぎる映像です。

しかしなんともまぁ、よくぞこの曲を用いた、と思います。
“We’ll carry on”
「僕たちは続いていく、たとえ君が死んでしまっても信じてほしい、君の記憶は生き続ける。僕たちは続いていく。」
F1の魅力とは歴史。そして続いていく未来そのものです。

F1は数千人のスタッフが、たった10数チームの、たった20数台のマシンを作り上げ、世界数万人のモータースポーツ選手の中から最も運転の巧いたった20数人がそのマシンを駆り、たった年間20戦という少ないチャンスの中で、世界でたった1人しかいないチャンピオンの座を争う、そんなスポーツです。

ドライバーの努力だけではどうにもならないほど大きなマシンの差、努力という言葉では片づけられない技術力のほんの少しの差、天候やタイミングのわずかなずれ、様々な要素が絡み合うF1には、他のスポーツでは見られないほど多くのドラマが存在します。

優勝をねらえるだけの実力を持ちながらマシンに恵まれなかったドライバーもいれば、マシンの信頼性に泣かされ将来を閉ざされたドライバーもいます。F1という華々しい舞台で活躍を夢見ながら経済状況の悪化によりチームを売り払わなければならなかった監督もいます。「実力」という一つの能力だけでは勝てない厳しい世界。
それはもう毎年様々なドラマが生まれています。

そしてそれは過去の話ではありません。もちろんF1の過去の歴史を語るだけでも数年は話し続けられると思いますが、F1の楽しみ方の特徴は「常に未来を見ていること」にあると言えるでしょう。
シーズン中も続けられるマシン開発により、シーズンが終わるまでマシンの差は一定ではありませんし、ファンがドライバーを見るとき、「来年彼はどのチームに行き、どのような活躍をするか」に注目します。
レース中であっても「次のピットストップ後に順位はどうなっているか」「チェッカーが振られるまでに何が起きるか」を考え続けます。ドライバーや監督以外の全ての人たちが、今行われているレースだけでなく未来を常に見ている、こんなスポーツは他にはあまりありません。

長い歴史がある。様々なドラマがある。その上で今が一番楽しく、来年のことを考えるとワクワクする。
過去、現在、未来という歴史こそがF1の魅力であると思います。
そして過去20数年で考えて、(正直「あぁ今年はつまらないシーズンだな」と事前に感じられる年も数年あったことは告白しますが!)今年は楽しみな一年です。2013シーズンは残念ながら日本人ドライバーはいません。しかしそういう年は全体に視野が及び、いろいろ楽しい要素を見つけられるもの。

ぜひ、今年からF1の歴史を見つめていってほしいと思います。F1サーカスと呼ばれるこの世界のBrack Paradeを見届け、語り継いでいってほしいと願っています。

 

■魅力2:魅力はドライバーだけじゃない

さて、次の動画に行きましょう。
今度はアメリカSky Sportsがシーズン前の番宣として作成した映像です。

いやもう、これまたF1の緊張感が全部収められた名動画です。
この動画を見れば感じられることでしょう、F1のドラマはドライバーだけが紡いでいくものではありません。

マシン。フォーミュラカーという戦うために極限まで磨き抜かれたマシンは圧倒的に美しいものです。レギュレーション変更などで美しさが変わったり、明らかに不細工な形状になったり、ついでに今年もフロントノーズがデコボコしたへんてこりんなマシンが並んだりはしますが、これこそが技術の結晶、世界で最も優れた空気力学が取り入れられた技術の固まりです。raf00は23年F1を見ており、愛着のある過去のマシンなどはたくさんありますが、それでも「今年の最新のマシンが一番美しい」と毎年感じます。
そしてこのマシンはレースの行方を最も変える要素となっています。マシンによって速さは大きく変わり、どれだけドライバーが天才であっても、マシンの圧倒的な差は覆すことができません。これは陸上競技に例えるなら選手ごとに背負わされる重石が異なるようなものですが、「どれだけ速いマシンを作れるか、どれだけ速いマシンを持つチームに所属できるか」も競技の一要素であるのが面白いところです。

チーム。2013シーズンは11チームが参加します。フェラーリやウィリアムズといった古参チーム、レッドブルやロータスなどの新興にして強豪チーム、フォース・インディアやザウバーなどの中堅、ケータハム、マルシアといった最弱チームなどチームも多種多様で、それぞれ特色があります。
その特色はマシンの出来だけでなく、ピットストップ作戦の妙、ドライバーラインナップの方向性など様々な部分で見ることができます。F1ファンは「ドライバーのファン」であるとともに「チームのファン」であることも多く、最も有名な「ティフォシ」は熱狂的なフェラーリファンとして世界中に存在します。

サーキット。かつてはヨーロッパを中心にシーズン序盤と終盤に世界を回っていましたが、近年急速にワールドワイドな展開をしています。アジアも日本だけでなく中国韓国インドで開催されるようになりましたし、中東バーレーングランプリも定番になっています。もちろん伝統のモナコグランプリも健在ですし、美しくも激しいベルギースパフランコルシャンもなんとか生き残っています。
マニア視点で言うとサーキットの製造メーカーが面白くないサーキットレイアウトを取ることにうんざりしたりはしているのですが、それはさておき毎戦様々な国で、特色のあるレースが行われるのはとても喜ばしいことと言えます。

 

■魅力3:バトルが激しい!追い抜きが増えた!

- YouTube
YouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。

今こうしてF1の魅力を伝え、これから見てほしいとおすすめしているのですが、過去に「マニアからしてもおすすめしにくい時期」があったことがあります。
2000年代がそれなのですが、とにかくサーキット上での追い抜きが少なかったのです。レースと言えば抜きつ抜かれつが醍醐味、オーバーテイクが見どころであるはずなのですが、一時期のF1には驚くほど追い抜きが見られなかった時期がありました。勝負は予選で付いてしまい走った順にゴールする、遅いマシンが前にいても抜くことができず、ピット作戦によってのみ順位が入れ替わるという時期が。
「自動車がぐるぐる回っているのを見ていて何が楽しいの?」というのはレースを悪しざまに罵る言葉としては一般的ですが、ファンですら「ぐるぐる回っているのを見ているだけ」という展開に飽き飽きしたことがあるのです。

しかし、これは近年のルール変更によって大きく変わりました。
追い抜きのしにくかった空力効果を改善、さらにエンターテイメント性を増すために、一時的にエンジンに爆発的な力を与えるKERSと、特定条件でのみ使えるオーバーテイク用可変ウイングが追加されました。
これにより昨年一昨年はこれまでのF1では見られなかったほどにオーバーテイクが増加し、目まぐるしく順位が入れ替わるようになっています。

また、黄金時代と呼ばれていたころのF1はマシンの速度差が激しく、1位と2位で1周0.5秒の差が生まれることなどザラ、予選のタイムがポールポジションから最後尾までに4秒開いていることが普通でしたが、現在のF1はトップから1秒以内に10台の車が並ぶなど、マシン格差がはるかに狭まっています。
これにより1年の間に多くのチームが優勝を狙え、実際昨年などは開幕から7戦続けて異なる優勝者が生まれるといった状況が生まれています。

さらに過去長く続けられたレース中給油がなくなったため、ピット作戦はチームの読みとドライバーの腕が大きく反映されるものになっています。

とにかくこの数年はバトルが楽しい。何がどうなっているかを理解する前に、まず追い抜きの楽しさを実際に見てほしいと思います。

 

■さぁ見よう、今週末から見よう。

さて、ここまでF1の魅力を散々語り散らしたのですが、一つ困ったことがあります。
フジテレビが地上波放送から撤退しちまって地上波じゃ見れないという問題です。
こればかりはどうにもならないのですが、現在中継を見る手段は2つあります。

・BSフジで録画中継を見る
・CS フジテレビNEXTで生中継を見る

ここで、「せっかくだからCSのフジテレビNEXTでリアルタイム視聴しようよ!」とオススメしたいところではあるのですが………正直オススメしがたいところがあります。
まず、解説がマニアックすぎる。20数年見ているファンですら時々付いていけなくなるくらいにマニアックな解説が行われるので、初心者が見るとチンプンカンプン。そして長い。ノーカットライブ中継なので後半のつまらないところまで長い。
なので、まずはBSフジの放送からスタートする方がオススメです。実況解説も親切で初心者向けですしね。
ある程度慣れたら、CSの生中継をiPadのライブタイムアプリを使いながら見るのが最高ですが!

長くなりましたが、F1の魅力はこんなところで!

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コメント

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