ScanSnap S1500Mを@daichiくんから譲り受けたので、この週末にやってみましたよ、自炊を。
裁断機は未だ悩み中なので、とりあえずカッターナイフを使って雑誌から始め、マンガを10冊程度突っ込んでみたら幾分慣れたので、諸々の感想をメモしておこうと思う。
■なにはなくともドキュメントスキャナ
これがなきゃ自炊ライフは始まりませんな。 自炊を検討し始めた昨年の時点で、「買うならS1500一択だ、下位モデルは買うべきじゃない」とアドバイスをいただいていましたが、実際に使ってみてその意味がよくわかりました。ポイントは1分あたりの読み取り速度と、1度にセットできる枚数。S1300とS1500では読み取り速度が倍以上、最高画質だと10倍も差があるので、S1300だったら読み取りにすごい時間がかかっていたのか…と思うとゾッとします。最新のiX500はさらに25%の速度アップが計られているようなので、今買うならこれでしょう。また1度にセットできる枚数も重要で、S1500なら50枚、S1300だと10枚しかセットできません。漫画の多くは100枚ほどなのでS1500なら2度セットして一気に読みこませればOKですが、S1300で10回セットすると考えると…。
で、基本的なセットアップだけしておけばとりあえず「スキャンしてjpg化、PDF化」「スキャンしてevernoteに送る・保存する・メールする」などの基本動作は一通り簡単にできました。マンガをPDF化するにあたってはいくつかフリーソフトを利用したのでこれは後述。
■とりあえず手作業で解体するために必要だったもの
以上のものは裁断機を買うにしても買わないとしても必須だと思います。プラス厚めのプラスチック定規。
マンガを裁断するタイミングは2ステップ、厚みのあるマンガを何等分かに切り分ける作業と、 糊付けされた端を切り落とす作業が発生します。後者は裁断機を使うことができますが、裁断機を持っていても多くの場合前者の作業は手作業で行う必要が生じます。
で、手作業で端を切り落とす作業を行う場合は太くて力を入れやすいカッターが役に立ちますが、前者の作業を行うときは薄く細いカッターの方がマンガを破損しにくいと数冊の失敗を経て気付きました。ゴツいカッターを使うとまっすぐ切れずに前後のページを容易に削ぎ落としてしまうので。
また、複数巻のマンガを手作業で端を切り落とす場合は 、切り落とし幅を均一に保てるよう、設置位置と定規を当てるためのガイドを用意したほうがいいなと感じています。カッターマットのラインに合わせてポストイットで印をつけるのも良いですが、立体的な何かで当てられたほうが楽なので、このあたりは工夫していきたいところ。
■裁断機を買うべきか、買わないまま進めるべきか
今回、10冊ほどのマンガを手作業で解体して自炊化したのですが、ミスが発生したのはマンガを何等分かに切り分ける作業のみで、端を切り落とす作業は実にスムーズに進んでしまったため、ちょっと裁断機の購入を悩んでしまっています。
200DXの評判が極めてよく、普通のコミックであれば裁断機にガツンとかければそれで裁断完了!というのは魅力ではあるものの、マジ業務用サイズ&マンガ100冊買えちゃう価格でプロ用大型裁断機を買うべきかというとこれは悩みどころですよね。
また200DXは折りたたんで収納できるとはいえ、本を自炊してスペースを確保するのにドキュメントスキャナと大型裁断機のスペースが増えるというのもなんとなく本末転倒な気はするので、raf00の用途としてはDC-210Nで済ませておこうかな…と思う次第。
■本棚からHDDへの移行ついでに
自炊したファイルはiPhoneやiPad、Nexus7で読むのですが、各端末に無尽蔵に書籍データが入れられるわけではありません。読むものをある程度絞って端末の中に突っ込んでおく癖はつけたいものですが、外出中に「あぁそういえばあれ読みたい!」と思うこともあるわけで。
そういうときのために、NASやネットワーク対応HDDを用意しておくと何かと便利です。
raf00はNexus7用にネットワーク対応HDDを1台用意して動画や書籍データをそこに突っ込んでいます。専用のアプリもあるので必要に応じて出し入れできるのが大変便利。Nexus7の場合至極スムーズにデータをダウンロードできるので重宝してます。
■自炊化に役立ったフリーソフト
[ilink url=”http://no722.cocolog-nifty.com/blog/chainlp/”]ChainLP v0.40-16[/ilink]
[ilink url=”PDF-XCahnge Viewer”]PDF-XCahnge Viewer[/ilink]
マンガを自炊化するにあたっては、この2つのフリーソフトが役に立ちました。手順としては
- S1500でjpg形式でスキャンし保存
- jpgファイルを確認
- 表紙などカラーで取り込みたいデータをPDFで保存
- PDF-XChange Viewerでカラー画像をjpg化
- カラー表紙と白黒本体を合わせてChainLPでPDF化
という順。ScanSnapのScansnap manager単体で一気にPDF化すると途中の確認が行えず、Acrobatで修正することも難しいので、一度jpg化する必要はありそうです。
■自炊にあたってのメモ
・ ScanSnapマネージャーのオプション、「文字列の傾きを自動補正」をonにしていると画像の方向がバラバラになってしまい後で調整するのが面倒なのでoff推奨。多少傾くかもしれないけれど、自動補正の方が厄介でした。
・ jpg画像でスキャンする際はスーパーファインorエクセレントの高画質でスキャンし、ファイルサイズの圧縮は後工程のPDF化の際に行ったほうが良い。スキャン時にケチると「より鮮明に保存したい」場合にどうにもならないから。PDF化するときのほうが画質の調整は自由が効くし。
・ 自炊した後の裁断済み紙束の扱いをどうしたものか。しばらく保管しておくか、jpgで確認したらすぐ捨てちゃうか。
・PDF化する際のサイズをどれにしておくべきか。「iPad or iPad2」サイズにしておくとマンガ1冊あたり50MBを下回るくらいのファイルサイズで済み、PCの閲覧にもそれなりに耐える。欲を言えばNew iPadサイズで保存しておきたいところだが、そうするとファイルサイズが100MB。10冊で1GBだとiPhoneやNexus7に入れられる量が少なすぎる。
・自炊はさておいても、溜まって溜まって仕方なかった名刺500枚強が一瞬でデータ化でき、中でも重要な名刺をそのままevernoteに移動できたのは凄まじいことです。
・自炊はさておいても、すごい速度でスキャンできるので諸領収書やマニュアルの類もガシガシ取り込んでPDF化 or Evernoteに保存していけるので、最近のクラウドブームにはあまりにも強力すぎる味方だなぁと感じました。その分セキュリティを高める必要はあります。切実に。
・毎月15冊~20冊くらいの本を購入しているので、これより早いペースで自炊化していかないと結局家が本棚で埋まるのを防げない。ので、とりあえず「1冊買ったら2冊電子化」を目標としていきたい。そうすればいつか……小さな本棚だけで済むようになるかな。