NAVERまとめインセンティブプログラム変更によりまとめ作成はどう変わるか?

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さてさて昨日、NAVERまとめが来年1月からのインセンティブプログラムを大きく変更するという発表をされました。

「よくないまとめも目立ってきた」――「NAVERまとめ」がインセンティブ制度を全面刷新
釣り記事NG、NAVERまとめがインセンティブ制度刷新で「量から質へ」

全然まとめ作業なんてやってないのに、なぜか継続的にNAVERまとめウォッチをしている身としては、またこのややこしい制度変更について読み解かなければなりますまい(というかざざと書いたものを再利用)。

というわけで、インセンティブプログラムと、奨励制度の変更についてあれこれ。

■概要

今回の大規模な変更は既にニュースで伝えられているとおり、「金稼ぎのための安易で低品質なまとめが増えすぎたため、小手先のテクニックでは儲からないようインセンティブプログラム自体を変更することで優良なまとめを増やしていく」という狙いだそうです。

低品質なまとめは、サービス開始当初から多くの人が批難しているところですが、インセンティブ欲しさに低品質なまとめは増加する一方であると思います。またノイズ的な情報の氾濫には目をつぶるとしても、全文コピーなどの権利侵害も多く見られるため、これらへの対策は必要と言えるでしょう。

今回の変更は非常に大胆で強烈、閲覧者や外部に対して強く配慮したものでもあることは明確で、優良な記事を増やし低質な記事を減らしていきたいという運営のポリシーは強く賛同し支持したいと思っています。

ただ一方で「良いまとめを作って報酬を得よう」というサービスの本来的な目的に対して疑問に思えるところもあるため、これから仕組みの説明と合わせて疑問・問題についても記そうと思います。

■インセンティブ対象・基準の変更

これまでもビューに対するポイントの計算方法は非公開となっていましたが、今回の変更によりポイント増減に激しい差が生まれることになります。また、インセンティブ対象外となるまとめについてもいくつか気になるポイントがありますので、それぞれこちらから見てみましょう。

まとめインセンティブ制度の変更について [2013/1/1~]

・制度改変後、インセンティブポイントの増減に影響する項目

1)まとめページ(自作に限らない)からのアクセスは従来評価に比して大きく低減
2)まとめトピックページからのアクセスは従来評価に比して大きく低減
3)まとめ外ソーシャル系サービスからのアクセスは従来に比して大きく増大
4)滞在時間を評価に追加
5)まとめの構成要素である各アイテムページのアクセスは従来評価に比して大きく低減

ポイント計算の際、低減と書かれた要素は「内部レートを知ったら二度と(不正を)やらなくなるほど、めちゃくちゃ下げた」ということですので、もはやNAVERまとめの新着や「まとめ記事内リンク」など内部リンクからの収益は全く期待できないということになるでしょう。代わってソーシャル系サービスからの外部流入を高く評価することになりますので、積極的な集客の仕組みづくりが必要になってくると思われます。

滞在時間評価に関しては極端に滞在時間の低いトラフィックは対象としない…といったものであると考えられます。

・インセンティブ対象外となるまとめ記事
1)アイテム数が少なく、まとめとはいえない
2)アイテム数が膨大で選別や取捨選択がされていない
3)NAVERまとめのまとめ(自作まとめの目次的使用は対象外)
4)一つのサイト・サービスからの転載だけで構成されている
5)検索結果と代わり映えがない
6)まとめのタイトルと中身に不一致がある

記事単位でインセンティブ対象外となるまとめ記事もかなり強化。ここで注目したいのは(2)の「情報が多すぎる記事」。情報があまりに多すぎる、無駄に力が入ったまとめは「まとめ」とされなくなるので注意したいところ。「まとめまとめ」は禁止に、検索結果と代わり映えのない大量複製記事も対象外になりました。またアイテム数が極端に少ない速報系記事もNGとなり、これらが多いアカウントはまるっと全部インセンティブ対象外となりますので、低品質記事の作成は要注意。(4)は判断が難しいので後述。

■インセンティブ対象・基準の疑問・問題点

内部リンクを評価せず、外部リンクだけを評価対象としていくというのが今回のポイント基準変更の大きなところです。

ごく単純に言えば「ソーシャルでの発信力の強いユーザーはより大きな収益が得られる可能性が、発信力を外部に持たないまとめ職人はそうとう厳しい」ということになります。

まとめ職人にとってはかなり痛恨と言える変更ですが、閲覧者にとってはまとめ記事に関係ない「作者の他のまとめリンク」を見なくて済むので喜ぶべき変更でしょう。すっからかんな記事を見る機会は減りそうです。

どう解釈すべきか悩ましいのがインセンティブ対象外となる(4)の「一つのサイト・サービスからの転載だけ」という点。これは例えば
「wikipediaに掲載されている特定芸能人の情報だけでまとめ記事を作成」というようなまとめならNGであることがわかりやすいのですが、

「「ボケて」殿堂入りボケ傑作選 – NAVER まとめ 」のような、比較的大きい一サービスに限られる情報のランキングをまとめ記事にする行為がNGになるのかどうかが不明瞭ですね。

一サービス…というところを極論すればTwitter発言のまとめが作れないことになりますし、さすがにそれはないとしてもこうした一人の発言だけを取り上げた場合は抵触してしまいそうです。

このあたりの明確なラインが定まらないとまとめ記事の良質化は上手く進まないのではないか、という点は疑問に思われます。

■新トピックピッカー制度の仕組み

ひっじょーに分かりにくい「まとめ奨励金制度」ですが、こちらも1月から刷新されるようです。
そしてその内容は非常に厳しいものとなっています。

・奨励確定までの道のり
新規作成したまとめの月間合計ポイントが2ヶ月連続で1万ポイントを超えると、奨励対象者としてノミネートされ、審査が行われます。
この審査を通過した候補者には「仮内定」の通知が送信され、3ヶ月目は内定者として通常のインセンティブ料率となりますが、この1ヶ月も新規にまとめた記事で1万ポイントを獲得しておく必要があります。

・奨励期間
奨励期間中はポイントあたり0.4円を獲得することができます。
また、過去に作成したまとめ記事の中で最も多くのPVを獲得できた月は1ポイントあたり1円、通常の5倍のレートでインセンティブが計算されます。

・奨励期間の延長と終了。
奨励期間は3ヶ月で、この間の「2ヶ月自己ベストを獲得」することで、3ヶ月間奨励期間が延長されます。
奨励期間が終了した場合、二度と奨励対象とはなりません。

■新トピックピッカー制度の問題

さて、今回の変更でキモになるのは2点、
・延長条件の過酷さ
・一度きりの奨励期間
です。

延長条件で「3ヶ月間の間、2ヶ月は自己ベストを出さなければならない」という点は非常に過酷です。
たとえば奨励の審査期間に180万PVのまとめ記事を作った場合、奨励期間が開始してから3ヶ月の間に2度は180万の自己記録を超えるまとめ記事を作成する必要があります。

また、奨励期間の3ヶ月で
1ヶ月目:50万PV
2ヶ月目:40万PV
3ヶ月目:45万PV
だった場合も、自己ベストは1回となるため、奨励期間が終了となります。

いずれの場合でも、毎月継続して成長しなければ奨励期間は終了します。
つまり、この仕組みはまとめ職人の努力によってコントロールすることが極めて難しい、むしろ序盤で飛ばしてしまうほど早々に奨励期間が早く終了してしまうものとなります。
自己ベストを叩き出すと一時的に通常の5倍の報酬を得られるものの、その自己ベストが原因で稼ぎが急落することになる、これはがんばっているまとめ職人にとってはモチベーションを大きく損ねることになる仕組みだと言えるでしょう。
プレミアムなユーザーを抱え込むべき奨励制度が、プレミアムなユーザーを追い出す原因になりかねない…と思っています。
それだけ多くの記事を(しかも新制度では優良なまとめを安定的に)生産できるユーザーであれば、他に稼ぐ手段もあるでしょうし。
また、運営が今回狙いとする施策に対して真逆のテクニックを用いることで奨励期間終了を回避してくるのではないかという懸念があります。

つまり質より量を重視し、前月よりも多くの記事を作成することで当月の新規作成まとめのポイントを稼ぐという方法です。
この回避方法は「懸念する」というよりも、自己ベストを更新するために当然行ってくるだろう方法であるため、優良なまとめ職人の低質化を招くことになるだろうと予測します。

レギュラー枠を獲得して記事を出し惜しむユーザーを懸念されているようですが、審査を通過した優良なまとめを作成できる人たち、その中でも「ムラはあるけれど当たると大きい」まとめ記事作成者を追い出すことになりゃしないかな…と思います。

■ついで)ロングヒッター制度の仕組み

今年中盤に追加されたロングヒッター制度についても──これは3月にはなかったので──簡単に紹介しましょう。

この制度は「公開翌月以降にジワジワアクセスが伸び、この伸びが数ヶ月継続して公開当月よりも多くのアクセスを稼いだ記事」に対して高いインセンティブが得られる…というものですが、公開した翌月のアクセスが公開当月よりも高い…という事は、よほどの偶然がない限りは普通ありえないと思われるため忘れていても良いと思います。1まとめ記事を1ブログとして更新情報を追加していく…というタイプのまとめ記事ならありえなくはないですが……。

■総論

以上が変更内容ですが、「強烈にまとめ作成者を締め上げ難易度を高くして、適当な行為でアクセスを集めるユーザーを減らす」という狙いはかなり強烈に盛り込まれているものの、実利と愛着を持っていた有力なまとめ職人を離れさせてしまうことになるかもしれないなぁと懸念するものであると思います。

いずれにせよ、閲覧者には全く損のない変更で嫌儲な人も大喜びな内容になっているので、ユーザー(閲覧者)ファーストに舵を切ったNAVERまとめは引き続き見守りたいと思います。

まぁ俺は今年早々にルーキー資格を得たもののすぐに喪失してしまったし、そもそも量かけていないのでどうなってもぼんやり続けていくんですけどね。