「年齢×1000円をお財布に」という懐かしい教え

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2015年現在でもバブルの時代を生きている東京姉妹が、またしてもTHE昭和の価値観を提示してプチ話題になっているようです。


年齢×1000円がお財布に入れておくべき金額の目安です – Togetterまとめ
年齢×1000円がお財布に入れておくべき金額の目安です

「年齢×1000円」といえば、NewsPicksで指摘されているように1982年に鈴木健二が書いた400万部のベストセラーになった「気配りのすすめ」という書籍での教えを彷彿します。
この「気配りのすすめ」は二十歳頃に一度読んだことがあり、メガヒットビジネス書のセオリー通り一面的な視点の教えではあるものの、本としては真っ当なことを言っているなという記憶があります。かつては完璧主義で衝突の多い鈴木氏の印象と本書の教えが食い違っている…などと話題にもなったようですが。

さて、「気配りのすすめ」で記載されていた教えが×2000円であったか×1000円であったかは失念してしまっているのですが、この教えは昭和世代にはかなり広まっているもので、raf00も祖父に言われて「キツいなぁ…」と感じたことを思い出します。稀にこの教えを未だに持っている人を見かけることもあります。
が、経営者や社会的地位名声のある層は別枠として一定の現金を持っておくべき…と例外は設けつつ、一般論としてのこの教えはもう33年も昔のものであることはいい加減顧みられても良いでしょう。

1982年と言えば、VISAカードが国内で始まってわずか2年。82年にクレジットカードに付きものの「ポイントサービス」が各社で始まり一気に普及を始めていくタイミングですが、世の中はまだまだ現金主義。
コンビニATMが開始されるのは1998年で、銀行ATMが24時間対応を始めたのは1971年と古く各行もこれに追随していますが数としては非常に少なく土日や祝日は閉まっているもので、365日24時間一般的になったのは近年になってから。
電子マネーも存在せず、さらにカラオケ・漫画喫茶など安価に夜を過ごせる場所も少なく、カプセルホテルはまだ誕生から間もない時期。
そんな時代なら一定の現金を持ち歩いていないと「立派な社会人としての有事対応」ができないというのは納得できます。

が、33年が経過した今、それほどの大金を持ち歩く必要はなくなっています。
1万円ほど持っていれば概ねワリカンには対応できますし、まるっと奢るならクレジットカードをサッと出してしまうのがスマート。
もう少し値の張るお店に行く際や、女性と夜を明かすことを狙う日などはATMで多めに下ろしておけば良いわけで。

というか、最近それなりに収入を得ている人の中では「財布は薄い方がいい」という見解も広まりつつあるので、「教え」はきちんとアップデートしていかなきゃいかんなぁと思います。