「質問の属性を見極めない回答」は質問者の質問の問題

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出来る限り作業せずに、出来る限りコミュニケーションを最小限にとどめてストレスなく案件を回したいダメWEBディレクターだったraf00です。

こんな話題がありました。

質問の属性を見極めない回答は相手を苛立たせる | サイボウズ式

ありますよねー、こういうやりとり。
ちょっと席まで出向いてYes or Noだけ聞きたいのになぜか延々回り道だらけの回答が返ってきて、一通り聞き終わった後にもう一度、「で、Yesなんですか?Noなんですか?」って聞き返したり。ちょっとランチで席立ちがてら一瞬聞きに行っただけなのに気付いたら20分経過しててやべーよランチ取る暇ないよ!みたいなこともありました。
raf00も以前はこういう面倒くさいことを言う奴であったようで、上司から指摘されたことがありました。以後は注意してまず結論から言うように心がけていたりするのですが。

が。

WEBディレクターなどという仕事をしていると、結構な頻度でこういうパターンに出会うのですが、ディレクターの視点で必要なのは、「なんでこいつこっちの期待にすぐに応えないんじゃコラ」というものではなく、「こちらが期待する役割に相手がすぐ切り替えられる質問の仕方をしなきゃならなかったなー」というものであると思っています。

そもそものところ「これは中華丼ですか?」「はい、中華丼です」という完全完璧に自明である質問であれば苦労はないのですが、「ざっくり言えば中華丼ですが、正確には日本の一般的な中華丼ではなく、広東風の什錦ムイファンなんですよ。細かい違いを話すと長いんですが…」というような技術方向ではありがちなパターンや、前提が不明な中で何かしらの回答を求められること、その場では判断しかねる回答、今後の自分に何らかの影響を与える選択肢、言っておきたい言い訳…などなど単純なYes or Noでは答えがたい質問は少なくありません。というかお仕事においてはそちらのほうが多いでしょうし、「あれは誰?」「山本さん」レベルの質問ならそもそもストレスになることもないので、ほぼ全ては「単純に1ワードで答えられない」と考えた方が早いでしょう。
あと、質問の意味を根本的に勘違いしている、質問されて嬉しくなっちゃって余計なことを話す、というのもありますか。

仕事における「質問」というものはそういう厄介なもの。
また、元エントリは「単純な質問」と定義して話を進めていますが、お仕事における「質問」というのは「依頼」または「追求」とほぼ同義であるので、常に即回答する人というのは蛮勇ですらあります。

てなわけで、普通に「質問」をしたらかなりの頻度で直接は返ってこないもの、と考えたほうが近道であると思っています。
ましてWEBディレクターなどをやっていると相手は一癖も二癖もあるデザイナーやプログラマー、営業や取引先。となれば、「ズレた返答をさせて相手に無駄な負荷をかけないような心配り」を求めたほうが結果ハッピーであると結論したりするわけです。
(というか、率直にYES/NOで答えるようになることは実際それほど難しいことではなく、そう気をつけさえすればある程度は改善されるものです。世の中のあらゆるコミュニケーション術で必ず言われていることですし。)

で、Yes or Noを引き出すための具体的な方法としては

・「単純に教えて欲しい」のか「なんらかの作業をお願いをしたい」のかを切り分けて話す
・「質問」の前提と、回答を得た上でどうしたいのかを予めきちんと明らかにする
・相手の持つ権限やリソースを理解した上での話をする
・Yes or Noのレベル別に質問する。「できるのか?Yes or No?」ではなく「理論的に不可能なのか、リソース的に不可能なのか、できなくはないけれど面倒くさいのか」など、Yes or Noに柔軟性を持たせて正しい答えを引き出す
・その質問自体が要領を得ているかを確認する

などなどがあり、質問の性質に応じて組み合わせています。
こうして質問の方向を明確にすることは、明確な回答をのらりくらりとかわす人への対策にもなるので、総じてよろしい。

「こっちは明確に質問したぞ!さあ明確に答えろ!」ってのは全然気持ちのよい会話のキャッチボールにはならないので、「正しい質問をしよう」ということを考えてみましょうじゃありませんか。

 

と、ここまで書いたんだけど、元エントリをよくよく読むと、例えに出した「これは中華丼ですか?」っていうの、質問というよりも嫌味ったらしい詰問ですよね。難癖つけるときの最初の一言ですよね。「うずらの卵が入ってないんですけど…」みたいな回答が想定されているあたり。
こういう質問者はコミュニケーションにおいては全方位において非常に不快な存在なので、本当にやらないように気をつけましょう。本当に。いやマジで。