ブルーボトルがあまりに混んでるので、創業者が世界で一番愛する喫茶店、渋谷 茶亭羽當でお茶してきた

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喫茶店大好きだけど、ネスカフェも大好きなraf00です。

6日にかねてより話題になっていたブルーボトルコーヒーが清澄白河でオープンしましたね。
アメリカ西海岸では「サードウェーブコーヒー」というムーブメントを生み出したブルーボトルコーヒー。コーヒー文化の普及と薄口のアメリカンコーヒーが成立したファーストウェーブ、スタバを代表としたシアトル系の深煎り/ミルクブレンド系のセカンドウェーブに続き、厳選した豆を浅淹れ、手入れした酸味が立ったコーヒー文化を生み出したお店です。
サンフランシスコのIT経営者たちに愛され、彼らに投資を受けたことからIT系メディアで大いに話題になっており、ガレージで始めたりコーヒーに強くこだわっていることから「コーヒー界のApple」と呼ばれるその店が気にならないわけがない(まぁAppleがガレージで始まったという逸話は嘘やでと先日ウォズが言ってましたけどね)。飲んでみたい。飲んでみたいわけですよ。

が。

こんなに混んでちゃどれだけコーヒーが美味かろうと感動なんてできやしない。ブルーボトルは飲んでみたいけど、こんな環境でコーヒー飲んで「素晴らしい…」とか言っちゃうのはいくらなんでも恥ずかしすぎる。
あぁしかし、一日コーヒーの話を眺めていたら美味しいコーヒーが猛烈に飲みたい。というわけでブルーボトルの創業者ジェームス・フリーマンが世界で最も愛し、メディアに対して常に語り、目標とするお店、渋谷の喫茶店茶亭羽當に行ってきましたよ。
というわけで、渋谷は宮益坂、blog@narumiでお馴染み「肉のヒマラヤ」のお隣にある茶亭羽當(さていはとう)へ。

茶亭羽當は創業から20年位の、純喫茶としてはそれほど古くないお店なのですが(スターバックスが日本進出したタイミングからさほど遠くない…と表現すればなるほど古かないとご理解いただけるでしょう)、実に「イイ感じ」な喫茶店の趣を醸し出すお店です。
近年はジェームス・フリーマンが事あるごとに名を出すために「すごい名店」扱いをされたりもしますが、元々は「コーヒーの名店」というよりは渋谷に詳しい人たちの間で「落ち着く店だわー」と、あるいは近辺で働く人の中で打ち合わせに最高なお店として知られているような「地元の良店」です(御常連券とか売ってますしね)。raf00もライター時代に打ち合わせ場所として連れて来られて知り、以来年1回くらいのペースでぼんやり訪れるような認識だったので。

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羽當、とにかく落ち着くんですよ。
暗めの照明、背伸びしすぎないインテリア、固すぎず実にナチュラルに働かれている従業員たち。
素晴らしいコーヒーを出す名店の多くが本やPCを出すことを躊躇われるようなピリッとした空気を備えているのに対して、羽當は穏やかな気持ちにさせてくれる雰囲気を持っています。

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そしてコーヒーが美味しい。
炭火煎羽當オリジナルブレンドはコーヒー通の方々には「苦味・酸味・甘み・深みのバランスが非常に整っている」と評価されていますが、そこまでテイスティングの表現力のないraf00が言うならば「馴染み深いコーヒーとしてベストな美味しさ」。
入谷の北山珈琲店や銀座のランブルなどはコーヒーとして完全に別段階の驚きのある美味さなのですが、羽當のブレンドは「普段親しんでいるコーヒー」としての最高さがあります。濃い目でミルクを入れてもまたコーヒーの風味が出て素晴らしい。
一方で、「別段階の驚き」はオールドビーンズを使った「楡」で感じさせてくれるなど、懐の深さがあります。

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で、茶亭羽當でコーヒーを楽しみながら、フリーマンが「世界で最も愛する喫茶店」としてこの店を選んだのかを改めて考えると、「コーヒーをコーヒーとして楽しめる環境」が整うまではブルーボトルに行くのは待ったほうが良いのだろうなぁと思ったのです。
フリーマンが目指すコーヒーショップは日本に山とあり、彼の持つ哲学は環境までを含めて「コーヒーにこだわろう」というものでしょうから。

っていうかまぁ、よく考えると、カリフォルニアロールで満足してた国で本気の寿司を目指してみた職人って感じで、逆輸入した寿司を食らうようなものかもしれんのですが、ブルーボトル。

ともかく、早く飲んでみたいなーとか思うわけです。