毒飲料文化追記 ~俺にも語らせろ

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前回エントリの 「毒飲料文化概説 ~マズいジュースの楽しみ方」に大変多くの反応をいただいた。
ブクマやTwitter、facebookなど、様々な場所で様々な反応をいただいているが、20年にわたってマズいジュースを追いかけ続け、最近あまり語られることもなく寂しい思いをしていたので、この反応の大きさは実にうれしい。
とてもうれしい。

前回エントリでは俯瞰した立場から書いたが、今回は一愛好家としての視点で、毒飲料とその楽しみについて書く。っていうか俺にも書かせろこの野郎。まとめる気もまともに書く気もないがとにかく書かせろ。

■マズい、いやマズくないという議論そのものが毒飲料の楽しみ

前回エントリの反応の中では特に「ドクターペッパーがマズいジュースの代表格に挙げられるなんておかしい!」というものが多かったが、一愛好家視点としては完全同意である。
強めのチェリーフレーバーにパワーの強い炭酸、正直美味い。ナチュラルテイストに真っ向から立ち向かうドクターペッパー、嫌いなわけがない。
しかし、アメリカ人が大好きなチェリーフレーバーを受け付けない日本人は非常に多く、チェリーフレーバーを使った飲み物、菓子などは総じて「ケミカルでマズい」と評されがちだ。試しに「ドクターペッパー」で検索したときにサジェストで何が表示されるか見てみると良いだろう。
愛好家としては、あれがマズいものである、という視点を持つことはとても重要だ。重要だがしかしあの程度で騒いでもらっちゃあ困る。
故に、マズいジュースに関する見識が浅い人が気軽に『マズいジュース、俺も結構飲んでるんだよね。ほら、ドクターペッパーなんてすごいマズいよねー』言おうものなら、「てめえこの野郎、この野郎てめえ、3日3晩メッコール飲ませてやろうかマズいジュースのなんたるかを教えてやろうかこの野郎という気持ちになるので「入門者が話題に出す際注意すべき毒飲料」として記載させていただいた次第。

一方でルートビアは毒飲料であると書いたが、あんなもん沖縄県民以外飲めねえよボケぇ!という気持ちは強い。
エントリにも書いたように沖縄県民にとっては普通に飲まれる毒飲料で、おじいとおばあの家に行くと必ず冷蔵庫に冷やされているという噂まである。A&Wレストランで本当にルートビアだけ飲み放題、しかも過去には「タンブラーを買うとルートビアずっと無料」キャンペーンまで行われるほどルートビア推しというほど、愛されている飲料なのだ。(A&Wレストランのポテトは大変に美味しいので沖縄に行くたびに必ず寄るけど、毎度うっかりルートビアを飲んでしまい食べ物の印象がすっかり抜け落ちることになる)
しかし、キツい。 50人に飲ませて3人しか「美味い」と言わなかった実績もあるので、これはもうマズいとしか言えないっていうかなんなんだよあのサロンパス味!おじいちゃんの背中から抱きついたら首筋から香るようなあの匂い!ギネスビールみたいにまったりした泡と、あのエグ味のある後味!戦争ですよあんなもん好むアメリカ人とは戦争ですよ!
…少し正気を失いました。
しかしまぁルートビアは日本の──あえてマズい飲み物を探すような奇特な人間を除いては──非常にマイナーな飲み物であり、その名前からもソフトドリンクとしては手に取られないものだ。この存在を知っていると意外と盛り上がるタイプと言える。入手経路も輸入食品店やヴィレッジ・ヴァンガードなどに限られているため、ほどほどに困難でしかし不可能ではないという点、流行り廃りを超えて生き残っているためおそらく20年後も同じ味で残るだろう点も定番毒飲料として素晴らしい。

(大余談ではあるが、沖縄にはよりマイナーだがゲンマイという沖縄県民が愛する飲み物が存在し、これまた外部の人間にとっては相当辛い。関東ではルートビアよりも入手困難だが、銀座一丁目の沖縄物産ショップ「わしたショップ」でならいつでも購入できるので是非お試しいただきたい)

とまぁ、個別の飲料について語りだすと本当にキリがないのだが、しかし毒飲料の楽しみというのは「あれはマズかった、いやアレは飲める」侃侃諤諤と意見を戦わせることにこそあると思っている。人の味覚なんて千差万別、「全員が納得する毒飲料」などというものはほとんど…いや多分ほとんどと言えるくらい(自信がない)……存在しない。ルートビアの沖縄や、あめゆひやしあめの京都など、地元愛飲外部地獄という文化の差もある。また「自分のほうがよりマズいものを知っている」ということを誇示するために、挙げた例をいちいち批判してよりマイナーな、より過激な毒飲料を語りたがるのも愛好家の常だ。ベテラン愛好家などは80~90年代の悪魔の毒飲料を数多く経験しているため、近年登場する新手の毒飲料に対して辛辣なコメントが増えるのもまた仕方ない。
(しかし「こんなもん全然マズくねえ、普通に飲めるじゃないか、こんなもんダメだ」という評価は飲料メーカー的にどう受け止められるコメントなのか、立ち位置を変えるとちょう興味深いが)
というわけで前回エントリで多くの反応、様々な反応をいただけたことは毒飲料愛好の上で至上の喜びである。

願わくば、あのエントリへの反応で、少しでも多くの人が「毒飲料の楽しみ」を思い出し、コンビニやスーパーで知らない飲み物に手を出し、大変な思いをし、その気持ちをtwitterやブログで吐き出して世に広め、議論が巻き起こって欲しい。raf00が「これはマズい!」とつぶやいた飲み物を試してもらい、率直な感想を伝えて欲しい。
「毒飲料愛好」という楽しみが、ここんところ各メーカーがいまいち頑張らない毒飲料が、今後も文化として残ることを願う。

■エントリに関する言い訳と過去の名毒飲料

っていうところで終われば綺麗なんだが、まだ若干語り足りないのである。

前エントリは「概説」という立ち位置で、基本的には現在はじめて「毒飲料」「ゲゲボドリンク」に触れる人が、これから毒飲料に触れるにあたって基本をおさえられるようなネタを中心に紹介している。前エントリで触れたように近年は悪質な冒険がめっきり減ってしまっているか、サントリーのように狙っているようなものしかないため、最近のチョイスが浅いのはベテラン愛好者にとって不満足であっただろう。いやぁほんと申し訳ない。

このため、過去の強烈な毒飲料にあまり触れられなかったのだが、正直書いてて俺が不満足だったというかやっぱりそこはほら、書きたくなっちゃうわけですよ。でも既に暴走しているのでさすがに止めるわけですよ。なのでコメントに対してぐっと堪える必要があったのですが、うん、我慢出来ない。
コメントとしていただいた「椰子の実のサイダー」などは本当に今飲めない、飲ませられないのが残念な逸品だ。この「椰子の実のサイダー」は、ヤシの実を再現するために、炭酸にココナッツオイルをブチ込んだ冒険にも程があるもので、コップに移すと炭酸の層と油の層が分かれるという……もうその時点でリタイヤしたいが、さらに口をつけると椰子の実のエグみ青臭さが口中に広がるという……あぁもう地獄そのものであった。

また「とんがらC」なども後世に残したいドリンクである。ダイエットサポート飲料として唐辛子抽出エキスを入れたもので、飲むと辛い。すごく辛い。そして美味くない。いやさ、辛くて美味しくないだけなら伝説には残らない。この毒飲料のキモはそのものではなく注意書きにある。「目に入った場合は、すぐに水にてお流しください」。そんなもん飲ませるなや。

さらに、飲み物としてはそれほど毒成分が強くないものの、後味が妙に悪くてなぜジュースにそんな名前を付けちゃったのかが飲んだ後に理解できる「ごめんね。」とそれに連なる「変な名前シリーズ」、マズいジュースとしてのカテゴライズとしてはやや不向きであるが「銀歯が軋む甘さの極北」が長年伝説として語り継がれたマックスコーヒーなどなども、語りだすと長くなりそうである。

毒飲料製造メーカーも、語り足りない部分であった。
「椰子の実ソーダ」を発売した宝酒造や、健康に絡めたドリンクを出しては毒飲料愛好家を不健康にしていく資生堂や大塚製薬などのコスメ・製薬メーカーなどは、大手飲料メーカーが出してこないような異様な猛毒を世に放っている。このあたりのマイナーメーカーの作品は本当に酷いので、見つけ次第ためしてみると良いだろう。命の保証はしないが。

エントリの反応で多かった「紙パックドリンクを例外にするな」という意見に関しても言い訳しておきたい。
確かに、紙パックドリンクは非常に危険な飲料が多いカテゴリである。乳製品の多さと「炭酸が入れられないのになんでコーラ味とか出しちゃうの!」っていうしょーもない冒険心にあふれている。缶・ペットボトル飲料よりもさらに小規模なメーカーが参入しており、ターゲット層を「あまりお金のない学生向け」とでも見ているのか、菓子じみた商品企画をしてくるあたりも危険度が増してくるものである。
かように奥の深い世界ではあるが、それがために「別世界の文化」であるとここでは明言しておきたい。

■毒飲料を手に入れるべき場所

マズいジュースをどこで手に入れるべきか、という点に触れておこう。
正直、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートの3大コンビニチェーンでマズいジュースを探すのはなかなか難しい。大手メーカーの商品が棚を占めていることと、不人気商品がすぐに棚から消えてしまうことで、コンビニで入手するのは難易度が高いのだ。
このため、ドン・キホーテやスーパーに行く事はまず最初に考えつく選択肢であり、一歩確実な入手手段と言える。
Amazonで箱買いするのは剛の者ではあるが、大概一人で消費しきれず周囲にバラマキを行うので迷惑な奴だ。
また、「マズいジュースに興味はあるが、定価で買うなんて馬鹿らしい」という人向けにはディスカウントストアや100円ショップに向かうことをおすすめする。これらは大手コンビニでは入手できないレアな毒飲料を極めて安価に(場合によっては一缶29円で)入手できる。在庫が余っている商品を買い取って売るような粗悪なディスカウントストアほど素晴らしい品揃えであり、さらに「季節が過ぎてどこに行っても売っていないだろうと思ったら半年前の季節商品が普通に売っている」などの嬉しいサプライズにも出会える。
こうした店をどれだけ知っているかが愛好家にとっては重要だ。

というわけで、このくらい書いて少し気分が紛れたので、毒飲料の話はこれで終わり。

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