2014年F1GP第5戦 スペイン

スポンサーリンク

序盤戦から長めの間隔を経てF1はヨーロッパラウンドへ。
ニューマシンのデータが蓄積されたこのタイミングで一気に開発競争が加速する時期で、ライバルチームの復権が期待されたが……この3週間はむしろメルセデスが磐石となるための期間になってしまったようだ

■予選

マシンのアップデートにより上位復活が期待されたベッテルに不運。フリー走行初日にマシントラブル、予選でもQ3で駆動系のトラブルでタイムを記録できず、ギアボックス交換によってさらに5グリットを落とすこととなった。
ロータスのマルドナドがクラッシュし最下位スタート。ケータハム可夢偉もグリップに悩まされ実質の最下位。上位は言うまでもなくハミルトンがトップ、ロズベルグがこれに続く。
そして実力は本物か、リカルドが3番グリッドを確保している。
コースに合わないと前評判があったフォース・インディアがQ3に届かないなど、ほぼ順当なグリットで決勝に向かう。

■決勝

一言で言うならば「つまらない圧勝劇」だ。
爆発的な速さを持ったメルセデス2台が先方で競い合い、残る20台が取り残される展開。
波乱もなく、マシントラブルを抱えたベルニュと可夢偉がリタイヤ、マルドナドとエリクソンの衝突、15位スタートのベッテルが4位まで追い上げた、以外に語ることは少ない。
5戦目で未だメルセデスが完全なレース展開を続けている。今年のグランプリは決まったと言ってしまってもいい。

■レース感想

メルセデスが強すぎる。第1戦を除く4戦は「フロントロー独占、1-2フィニッシュ」を続けておりどこにもつけ入る隙がない。今回ハミルトンが4連勝してロズベルグを抜いてチャンピオンシップのトップに立ったが、この4連勝は歴史的な意味がある。
過去1シーズンでグランプリ4連勝を果たしてチャンピオンを取れなかったドライバーはいないというジンクスがあるためだ。序盤5戦をメルセデスが完勝したという記録もチャンピオンシップのジンクスでは極めて有望な状況だが、そうしたジンクス以上に現実的な予想はメルセデスに傾く。
早々に今年のシーズンを諦め来年に向けた開発にリソースを集中するチームが多く出てきそうだ。

■チーム別評価

・メルセデス
今回も完全勝利。チームバトルはロズベルグが遅いというわけではなく、ハミルトンが絶好調なのだろう。

・ウィリアムズ
ボタスが予選3位、決勝5位。これまでのレースでは最も無難にレースを運び自己最高位を獲得した。
マッサは3ストップ作戦で順位を落とし13位となった。
取れるはずの順位を取りこぼすレースが開幕以来続きすぎている。アップデートの成功が伝えられたが、W入賞も不可能ではなかったはず。現在の速さに見合ったポイントは獲得できていない。

・マクラーレン
3戦連続の無得点レースは過去5年間で最悪の記録。
第1戦以降ぱっとしない展開が続いており、各チームの開発競争から取り残されている。
既にベテランとしてのキャリアが長いバトンは「速いマシンを、さもなくば引退」といったニュアンスが感じられるコメントを残しているが、ライバルチームの動きも含めて考えると早期の回復は難しそうだ。

・フェラーリ
ドライバーの努力が100%を超えてもなお、表彰台には届かない。アロンソ6位、ライコネン7位。
ペース不足が明確で、スペインまでにメルセデス・レッドブルへの差を詰められていない。
ここにきてアロンソの移籍(憶測だが)報道が繰り返されており、ライコネンも今回のピット戦略について不満を隠していないなどお家騒動を匂わせる火種も抱えている。

・レッドブル
メルセデスがズバ抜けすぎているが、速さは順調に回復しており2番目のチームとしてのポジションを固めつつある。リカルドの走りはレッドブルの強さを象徴しており、スペインで改めての初表彰台を獲得した。
ベッテルは金曜土曜のフリー走行、予選のトラブルに泣き、15位からのスタートから挽回し4位でレースを終えた。膿を出し尽くしたと考え、次回以降に期待ができそうだ。

・ロータス
グロージャンが待望のシーズン初ポイントを獲得し、ようやくグランプリを戦える位置にまで戻ってきた。
一方でマルドナドは予選でのクラッシュ、決勝ではエリクソンとクラッシュし良いところがない。
このチームは毎戦新しい「チームに金がない話題」が出てくるが、今回は「ルノーエンジンの料金未払い」が噂された。

・フォースインディア
スペインのサーキットに向いていないと言われ予選でもQ3進出ができず苦しんだが、決勝ではペレス9位、ヒュルケンベルグ10位とW入賞し、苦手サーキットでもポイントを積み重ねた。
ポイントを取りこぼすチームが多い中、この堅実さが最終的なコンストラクターズランキングに大いに味方しそうだ。

・ザウバー
16位17位で完走。すっかり「ケータハム・マルシアの前」が定着している。

・トロ・ロッソ
クビアトは第2スティントから苦戦し14位完走。ベルニュは予選中ホイールが外れ10グリット降格ペナルティを受け、スタート時は左フロントのブレーキに問題、そして25周でエキゾーストのトラブルでリタイヤした。
悪運が集中したグランプリだったがサーキットとの相性は悪く、いずれにせよポイント獲得は難しかっただろう。

・マルシャ
チルトンのデビュー以来連続完走記録は24戦。過去の連続完走記録はニック・ハイドフェルドの41戦とトップには遠いが、「F1デビュー以来連続完走」の大記録を今回も更新している。今年あたりクビになったりするとかつて誰も成し遂げたことのない「フルシーズン全戦参戦でキャリア完走率100%」という驚愕の記録が成し遂げられることになってしまうので大いに注目したい。
ビアンキ18位、チルトン19位完走。順位こそいつもどおりだが、ドライバー両名がアップデートの効果を実感しており、ケータハムにリードする展開になった。

・ケータハム
可夢偉はフリー走行のトラブルに続き、決勝でもブレーキ故障でリタイヤしてしまった。フリー・予選を見ても明らかにマルシャよりもペースは悪い。グランプリを戦う以前のレベルにあることははっきりとわかっており、その中で可夢偉が奮戦しているがどうにも厳しい。
それにしても毎回毎回素晴らしいスタートを見せている。これが上位チームだったら…と思わずにはいられない。
一方エリクソンはスタート時にマルドナドと接触、以後は最下位でゴールにマシンを運んだ。

スポンサーリンク

フォローする